戦略的放浪家バックパッキャオの世界制覇! 200ヶ国の街ブラ紀行と其の雑記

戦略的放浪家(Strategic Nomad)兼アスリート経営者の旅と生活のユニーク情報発信ブログ。難病のモヤモヤ病等で10回以上死にかけながらも世界150ヵ国以上に張り巡らしたネットワークを活用しなが居候的な旅をする。確立したトラベルスタイル(バックパッカーのような旅をしながらもキャリーのスーツケース派)から自称バックパッキャー。呼びづらいので呼称をバックパッキャオ!にされる[アジア人で左利き(サウスポー)+ナイフ強盗退治の経歴からボクサーのパッキャオ(Manny Pacquiao)とかけあわせて]

世界の現場から!抗議デモ真っ最中。ベラルーシの今!独裁国家とコロナ

こんにちは。

室伏以来のベラルーシ

ここ数日、日本のメディアでもベラルーシの大統領選後の大規模デモについても報道が少しずつ盛り上がってきている。日本人にはあまり馴染みのない国だし、はじめの頃はただ選挙で行われたであろう不正に対して国民がデモを行っています程度で終わるのだろうと思っていたら、デモの広がりもあり案外詳しく報道がなされ始めた。ベラルーシ取り扱われるのは室伏が活躍していた頃のハンマー投げのライバルだったティホン以来じゃないかな。

僕がベラルーシを訪れたのは4年前、訪問前のビザ取得の手続きの煩わしさとそのビザ取得にもロシアの影響力を感じた。事実その街並み等が現在のロシアよりも旧ソビエト共産国家のそれを色濃く残していた。

今話題のルカシェンコ大統領の独裁についても、僕が訪問中に対ロシア関係が悪化し突如5日間のビザなし訪問可能国に変化したり、歴史を知らなくてもその独裁臭を感じることはできた。そもそもこの大統領アイスホッケーの選手で、コロナ対策もウォッカ飲んでアイスホッケーしていたらかからないなんて言っていた強者。体育会系統治とでもいうのがピッタリなのかも。

独裁国家の特徴については特集で書いてみるが、文献や知人の話を総合するとまぁ彼の独裁ぶりは典型的な独裁者。自身の銅像を建てていないのが唯一の救いだろうか(笑)。

ガスは溜まっていた

僕が訪れた際には表向きは平穏で街も別名ニート取り締まり法とでもいうべき法律でキレイに保たれていたようだが、今思えばその頃既に国民の不満はたまっていたのだろう。それが多くのたの独裁国家同様に今回のコロナの対応やその混乱に乗じての権力強化の画策が相まって遂に不満が爆発したのだろう。

その引き金となったのが大統領選挙。デモがロシアに頼らざる得ない経済構造に加えて独裁、汚職。国民は新たな大統領を求めたが、まずはそこをルカシェンコ大統領は潰した。人気候補は何かしらの法律違反をでっち上げられ選挙に立候補する権利を剥奪していったのだ。ミンスクの実業家の知人曰く今回少なくとも3人の有力候補がいたのだとか。その結果、有力候補の1人であったセルゲイ・チハノフスカヤ氏の妻スベトラナ氏が夫の代わりに立候補し、反大統領派国民が彼女の支援でまとまったのだ。そしてなんとか無選挙での再選というシナリオはなくなったのだが、混乱は選挙後に待っていた。

待っていたというより、もうこうなることは明らかだったと思うのだが…起こったことは、今回の米大統領選でトランプも吠えまくっている票の操作だ。独裁国家では当たり前でもう票の操作すらしていないかも、適当に票の割合決めてるだけだろう。選挙前に支持率3%といわれていたルカシェンコ大統領の得票率が80.1%で、反大統領派が結集した対抗馬スベトラナ氏が10.12%

デジャブ、独裁者の頭の中

幼稚園児でも何かおかしいと思うレベルでしょう。僕達のようにこの種の国で育ったわけでもなく独裁者になったことがない人間からすれば、あからさま過ぎるこの結果にするなんてどんだけバカなのか、と思うだろうが、彼らにはそんなことはどうでもいいのだ。要は対外的、そして国内の情報や教養の弱者向けにいかに自分が支持されているのかを見せつければそれでよいのだ。正論を言う人間にわかってもらおうなんて思ってないし、国内のそんな人々は潰して、海外から意見は内政干渉だといえば済むのだから。

ただ今回はさすがに国民が黙っていなかった。情報社会の発展に伴い、政府発表以外の結果が好評された。それによるとスベトラナ氏の得票率は60%、彼女は勝利していたのだ。こういった情報がスマホ、ネットで拡散デモの輪が広がった。

すると大統領は選挙後の3日間ベラルーシのインターネットを切断するという強硬手段に出た。それと同時に武力をでもってデモ隊の排除に乗り出す。平和的デモを行っていた7,000人の人々が拘束され、その後、拷問、性的暴行を加えられ、6人が死亡、100人以上が行方不明のままである。そう、ネットを遮断することで、選挙結果のみならず、こういった鎮圧の現場の国外流出を一定期間阻止したのだ。実況できなければ、その後に出る映像は捏造されたものだ、とでも言うのだろう。知人はじめ、ネット関連の会社を営む人々はインターネット切断中は事業継続のために一時的にウクライナキエフに移ったとのことだ。

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選挙後のインターネット遮断期間。この時期の弾圧が一番エグい
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子供服等の弱者にも容赦等ない

テレビで流れるデモの映像は数ヶ月前に香港で見たものとかぶって見える。

また、今回のデモでベラルーシの人々は現ベラルーシの旗ではなく白と赤の旧ベラルーシの旗を持って行進している。これは同じ独裁国家中米ニカラグアでの昨年のデモと被る。

要は現国旗=現政権であり、それを掲揚するということは現政権を礼賛すること。自分達が愛するのはあくまでもこの国自体(これまでの歴史博物館文化)であって、現政権ではないという精一杯の抵抗の証なんだそうだ。

今後と現在の写真

デモはとりあえずルカシェンコが大統領をやめるまで続くだろう。正直なところ多くの人々はその後のビジョンは持っていないと思う。まずはルカシェンコをやめさせる、そうすれば国が変わるという一心だ。でもこうした純粋な思いとは裏腹に、この自体を利用しようと西側諸国とロシアの綱引きは始まっているのだ。ベラルーシの人々が言うにはとりあえず今僕達外国人ができる支援はこの事態を注視して報道し続けてくれることだ、ということのようだ。

僕自身としては、次回ベラルーシに行くときにかれらがどこかの大国に併合されていないことを祈るばかりだ。

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平和的デモは拡大中、世界が注視するなか、初期の頃のような弾圧は影を潜めている
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旧国旗が街を埋め尽くす
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人々が望むのは安心と平穏な日常なのだろう


To be continued