戦略的放浪家バックパッキャオの世界制覇! 200ヶ国の街ブラ紀行と其の雑記

戦略的放浪家(Strategic Nomad)兼アスリート経営者の旅と生活のユニーク情報発信ブログ。難病のモヤモヤ病等で10回以上死にかけながらも世界150ヵ国以上に張り巡らしたネットワークを活用しなが居候的な旅をする。確立したトラベルスタイル(バックパッカーのような旅をしながらもキャリーのスーツケース派)から自称バックパッキャー。呼びづらいので呼称をバックパッキャオ!にされる[アジア人で左利き(サウスポー)+ナイフ強盗退治の経歴からボクサーのパッキャオ(Manny Pacquiao)とかけあわせて]

レバノンの災害から見える途上国支援。"いいこと"を効果的に行うために。

内容

 複雑過ぎる内政事情

前回は取り急ぎレバンノの現状を少し紹介したけれど、今回は援助について。シリア内線勃発から今回の事件が起こるまでの間に、日本でレバノンという国が取り上げられたことは多くないと思う。今回の災害被害数兆円規模といわれているが、そもそもレバノンという国は長年にわたる紛争で疲弊した上に、モザイク構造の宗教の入り組みを背景にした政治腐敗等によって財政状況はいつも逼迫していた。(今触れた特殊な社会構造は専門家の記事にまかせます。)

僕が訪れた当時もそんな状況の真っ只中ではあったけれど、それも今と比べればましな方で、レバンノは今年の春には国としてデフォルト(債務不履行)状態に陥っているのである。日本ですら大震災の際等には国際的な援助を必要とするくらいなのだから、レバノンに至っては言わずもがな。こういった惨事の際には必ず支援の話が持ち上がる。

誰の為の支援?

今回も例に漏れず事故直後からヨーロッパ、中東はじめ多くの国が支援を表明している。政敵イスラエルさえも。特に旧宗主国のフランスのマクロン大統領が主導的に欧米各国への働きかけを行っている。こういった支援の大部分が純粋なものだろうが、そこに見えるのはこの国の窮状を利用してのこの国における主導権の取り合い。国内のどの勢力に支援するかで、復興期復興後におけるその国への影響力というものが大きく変わってくるのだ。

これこそがレバノンに限らずこういった腐敗構造のはびこる国への支援を難しくするのである。つまり政治腐敗の激しい国に公的な支援を行ってもその何割が本当に必要な所に届くのか。まさにトップダウン方式で抜かれていくわけである。まさに我々の税金を支援という大義のもと国を牛耳る人々の懐を肥やすためにばらまいているといっても過言ではないのである。しかしながら国対国の支援では政府や公的機関に支援を渡すことにならざるをえないし、イメージ戦略重視の大企業等もそうするのが得策だろう。

よってそういった支援の多くは本当に必要な所に届かないと考えるのが自明の理だろし、僕もいろんな国のこういった支援関連のことに携わってきて嫌というほどこのパターンを目の当たりにしてきた。

また国連関連や赤十字等の国際機関は年間を通してのしっかりとした活動をしており不可欠なものではあるけれど、彼らの給料等に充てられている金額を見ると幻滅してしまうことも少なくない。

支援の前のワンステップ

だからこそ、民間における支援というのは本当に支援を必要としている所に支援を行うパイプをもち、誠実に活動している団体に行うべきなんだと思う。

インターネットが普及する前の時代だと、どの団体がどういった活動をしているのか、実態を調べることも難しかったが、今では各団体が自前のホームページで活動内容報告なども行っている。活動内容が明確で何よりも終始報告がしっかりなされているところを選ぶくらいはそう難しいことではないだろう。

今回の報道を見ていて少しホッとしたのは、あまりにも有名過ぎる腐敗構造のレバノンを牽制するように、マクロン大統領が支援の条件に支援金や物資が本当に必要な所に届けられるように、と明言しているところであるが、それも現実には何処まで守られるか(個人向けにはパフォーマンスが大部分と思っている)は懐疑的である。

コンビニ等でもよく見かける募金箱への募金。身近でできる”いいこと”の代表でしょう。でもせっかくするのであればちゃんと困っている人に届いて欲しいですよね。同じ支援をするのであればその届け先を調べてみることでより効果的な支援になり、またその国等への興味を持つきっかけになるかもしれませんよ。

To be continued